Nature ハイライト 遺伝:イヌの古い品種、新しい品種 2010年4月8日 Nature 464, 7290 イヌの家畜化と品種改良は、人類文明の発展に伴って急速に起こった形態と機能の劇的な放散を示す興味深い一例である。イヌおよびその祖先野生種であるタイリクオオカミを対象とした、4万8,000個を超える一塩基多型の大規模かつ詳細な全ゲノム調査により、遺伝的下位区分の注目すべきパターンが明らかにされた。はっきりと分岐した2つのクラスターが出現し、一方は古い品種群、もう一方は19世紀に生み出された近代の品種群だった。共有ハプロタイプの分析から、イヌは、主として中東またはヨーロッパ起源であり、ミトコンドリアDNAデータから以前示唆されたような東アジア起源ではないことが示された。このことは、最近の考古学的発見と一致している。 2010年4月8日号の Nature ハイライト 物理:量子スピン液体の現れる条件 生理:がん細胞を生むニッチ 細胞:ゲノムの安定性 宇宙:遠方の星食を垣間見る 物理:メムリスターによる論理演算 気候:放牧はN2Oの放出を減少させる 考古:3種の人類が共存していた 遺伝:イヌの古い品種、新しい品種 進化:寿司因子 目次へ戻る