Nature ハイライト 考古:3種の人類が共存していた 2010年4月8日 Nature 464, 7290 4万8,000〜3万年前にシベリア南部のアルタイ山脈に生存していた人類の骨から、ミトコンドリアDNA(mtDNA)が取り出されて、塩基配列が解読された(go.nature.com/sokd1FのNews記事を参照)。比較ゲノミクスにより、このmtDNAの持ち主の起源であるアフリカからの人類移住は、ネアンデルタール人および現生人類の起源である移住とは別のものであることが示唆された。2008年に小指の一部であるこの骨が発掘されたデニソワ洞窟の層序から、この人類は、ネアンデルタール人および現生人類と地理的に近い場所に同時期に存在していたと考えられる。約1万7,000年前のインドネシアにホモ・フロレシエンシスが存在していたことと合わせ、今回の発見は、後期更新世のユーラシア大陸で複数の人類系統が長期間にわたって同時に存在していたことを示唆している。 2010年4月8日号の Nature ハイライト 物理:量子スピン液体の現れる条件 生理:がん細胞を生むニッチ 細胞:ゲノムの安定性 宇宙:遠方の星食を垣間見る 物理:メムリスターによる論理演算 気候:放牧はN2Oの放出を減少させる 考古:3種の人類が共存していた 遺伝:イヌの古い品種、新しい品種 進化:寿司因子 目次へ戻る