Nature ハイライト 工学:摩擦の詳細 2010年1月7日 Nature 463, 7277 地震からハードディスクドライブに至る多様な系の挙動は、摩擦運動や摩擦の強さの影響を受けている。一見すると接触面間の連続的なすべり過程にみえるが、実際に起こっているのは、微視的スケールでの「すべり」と「固着」からなる一連の事象である。しかし、このレベルにおける摩擦強度の時間的変化の機構は、まだよくわかっていない。Ben-Davidたちは、すべり合う2つの物体(PMMAプラスチックブロック)の間の局所的接触面積と界面運動の時間的変化を調べ、4つの段階が関与していることを見いだした。接触面積の減少は数マイクロ秒以内にすべて起こってしまう。次に、急速なすべりの段階が続いた後、ずっと遅いすべりへの急な遷移が起こり、「固着」段階に至って運動が停止する。数百マイクロ秒後、接触面積は再び増え始める。これらの結果から、技術的に重要な多くの状況において、この種の運動をよりよく理解するための基礎が得られる。 2010年1月7日号の Nature ハイライト 臨床心理:恐怖の記憶を封印するには 宇宙:やはり典型的だった超新星 物理:量子粒子のジグザグ運動 物理:エキゾチックな目標に近づく 工学:摩擦の詳細 気候:あの二酸化炭素はどこに行った? ウイルス学:ゲノムに残ったウイルスの「化石」 神経:神経回路の光スイッチ 目次へ戻る