Nature ハイライト 物理:量子粒子のジグザグ運動 2010年1月7日 Nature 463, 7277 1928年にポール・ディラックが相対論的量子粒子の振る舞いを記述するために提案したディラック方程式は、量子力学と特殊相対論を融合したものである。この方程式から、高速のジグザグ運動、つまり「ツィッターベヴェーグング」などの特異な効果が多数現れる。これは理論的にはしっかり確立されているが、現実の粒子での観測は難しい。C Roosたちは、自由な相対論的量子粒子として振る舞うようにした単一の捕捉イオンを使って、ディラック方程式の原理を証明する量子シミュレーションを開発した。この系の捕捉イオンの実験パラメーターを高いレベルで制御すると、ツィッターベヴェーグングなどの相対論的量子物理学の典型的な例をシミュレートすることが可能になる。 2010年1月7日号の Nature ハイライト 臨床心理:恐怖の記憶を封印するには 宇宙:やはり典型的だった超新星 物理:量子粒子のジグザグ運動 物理:エキゾチックな目標に近づく 工学:摩擦の詳細 気候:あの二酸化炭素はどこに行った? ウイルス学:ゲノムに残ったウイルスの「化石」 神経:神経回路の光スイッチ 目次へ戻る