Nature ハイライト 気候:あの二酸化炭素はどこに行った? 2010年1月7日 Nature 463, 7277 モデル研究では、化石燃料から生じた二酸化炭素の40%以上が、南大洋に取り込まれていることが示唆されている。しかし観測からは、南大洋には比較的少量の二酸化炭素しか保持されていないことが示唆されている。T Itoたちは、海洋循環と炭素循環の高分解能モデルを用いて、2年の時間スケールで南大洋の炭素シンクにおける炭素の行方を制御する機構を調べた。人為起源の二酸化炭素を移動させる主な機構は、エクマン輸送、すなわち風により駆動される表層流であるエクマン流による輸送であることが見いだされた。また、エクマン流と海洋の渦、および水塊の沈み込みの間には、複雑な相互作用が存在することがわかった。この分析は、エクマン輸送の時間的な変動を介した、海洋による炭素の取り込みと気候変動の間の密接な関係を明らかにしている。 2010年1月7日号の Nature ハイライト 臨床心理:恐怖の記憶を封印するには 宇宙:やはり典型的だった超新星 物理:量子粒子のジグザグ運動 物理:エキゾチックな目標に近づく 工学:摩擦の詳細 気候:あの二酸化炭素はどこに行った? ウイルス学:ゲノムに残ったウイルスの「化石」 神経:神経回路の光スイッチ 目次へ戻る