Nature ハイライト 宇宙:やはり典型的だった超新星 2010年1月7日 Nature 463, 7277 Ia型超新星は、宇宙論的距離の指標として非常に貴重な存在になる可能性がある。しかし、もしそれらが、宇宙の膨張史や暗黒エネルギーの本質に対して信頼性のある物差しになるとするならば、それらがおおむね均質なものであるという証拠がもっと必要となるだろう。しかし、Ia型超新星の下部分類にある「暗い1991bg様の」天体は、この点が疑わしいことがわかっている。現在のモデルでは、超新星の先駆天体と考えられている白色矮星からの形成を予測することができないのだ。2つの白色矮星の合体によってこのような現象が起こるだろうことは、ずっと以前から推測されていたのだが、今回、最新の数値シミュレーションによって、この考えがさらに裏付けられた。もし、それぞれ太陽質量の約0.9倍の大きさの等質量の2つの白色矮星が合体して、1つの共通外層をもつ段階を経るとするならば、こうした合体で暗い爆発が生じるのである。 2010年1月7日号の Nature ハイライト 臨床心理:恐怖の記憶を封印するには 宇宙:やはり典型的だった超新星 物理:量子粒子のジグザグ運動 物理:エキゾチックな目標に近づく 工学:摩擦の詳細 気候:あの二酸化炭素はどこに行った? ウイルス学:ゲノムに残ったウイルスの「化石」 神経:神経回路の光スイッチ 目次へ戻る