Nature ハイライト 生理:アディポネクチンと肥満 2010年4月29日 Nature 464, 7293 脂肪細胞由来のホルモンであるアディポネクチンは、グルコースと脂肪酸代謝の調節に関与し、抗糖尿病作用とアテローム産生抑制作用をもつ。筋細胞のアディポネクチン受容体AdipoR1を欠損するマウスを用いた研究で、このマウスはインスリン抵抗性を示し、野生型のマウスよりも運動に対する持久力が低いことが示された。アディポネクチンは骨格筋で、AdipoR1を介した細胞外Ca2+の流入を誘導するが、これはミトコンドリア機能や酸化ストレスに密接に関係する、下流のさまざまなシグナル伝達に欠かせない。このことは、AdipoR1受容体を刺激するか、あるいは骨格筋のAdipoR1受容体の数を増加させれば、ミトコンドリア機能不全、インスリン抵抗性や肥満と関連のある2型糖尿病の治療に有効である可能性を示している。 2010年4月29日号の Nature ハイライト 医学:糖尿病を理解する 生理:アディポネクチンと肥満 宇宙:小惑星24番テミスの氷 化学:水から水素を作る 気候:気候フィードバック 進化:恐竜の多様な羽毛 進化:「自殖」の進化 遺伝:遺伝子のヒッチハイク 細胞:見つかったコレステロール結晶 脳:統合失調症とニューレグリンの関連性 目次へ戻る