Nature ハイライト 気候:気候フィードバック 2010年4月29日 Nature 464, 7293 気候変動は全球で一様に起こるわけではない。それどころか、極地増幅とよばれる過程により、北極域は熱帯や中緯度地方よりも速く暖まる。Natureに発表された最近の研究では、上層大気の輸送過程によって近年の極地増幅の大部分が説明されることが示唆されたが、この結論は議論の的になった。J ScreenとI Simmondsは、過去20年間の再解析データの最新版を用いて、上層大気過程ではなく、海氷の面積や厚さの減少が近年の極地増幅の大半を引き起こしていることを示している。これらの研究結果は、強い正の氷–気温フィードバックが北極域で働いているという考え方を裏付けており、近い将来、急速な温暖化と海氷融解が継続して起こる可能性が高いことを示唆している。 2010年4月29日号の Nature ハイライト 医学:糖尿病を理解する 生理:アディポネクチンと肥満 宇宙:小惑星24番テミスの氷 化学:水から水素を作る 気候:気候フィードバック 進化:恐竜の多様な羽毛 進化:「自殖」の進化 遺伝:遺伝子のヒッチハイク 細胞:見つかったコレステロール結晶 脳:統合失調症とニューレグリンの関連性 目次へ戻る