Nature ハイライト
天文学:親星の風に吹き飛ばされる大気
Nature 557, 7703
ヘリウムは、宇宙で2番目に多い元素であり、系外惑星の大気に含まれていると予測されているが、スペクトルにその証拠を見つけることはまだ成功していない。今回J Spakeたちは、親星をトランジットしている惑星WASP-107bの観測において、波長1万833 Åに励起ヘリウムの狭い吸収の特徴を発見したことを報告している。吸収の深さから、この惑星には広がった大気があって徐々に失われていることが示唆される。この惑星には、親星の輻射圧によって成形された彗星状のガスの尾が、親星とは反対の側に存在している可能性がある。
2018年5月3日号の Nature ハイライト
分子生物学:SAMHD1が炎症から細胞を守る仕組み
構造生物学:ガスダーミンが膜に形成する小孔の構造
天文学:親星の風に吹き飛ばされる大気
素粒子物理学:本格化する反物質の分光測定
超分子化学:柔軟な自己修復結晶
有機金属化学:アニオン性アルミニウムを作る
古生物学:祖先的鳥類の頭蓋が明らかに
微生物学:ミトコンドリアの祖先を再検討する
細胞生物学:胚発生過程でのHOIL-1の役割
構造生物学:HIV-1逆転写酵素の結合機構