Nature ハイライト

構造生物学:HIV-1逆転写酵素の結合機構

Nature 557, 7703

HIV-1逆転写酵素(RT)は、ウイルスの一本鎖ウイルスRNAを、宿主細胞ゲノムへ組み込むことができる二本鎖DNAへと変換する。構造研究により、RTポリメラーゼとRNアーゼHドメインがDNA–DNA二本鎖やDNA–RNA二本鎖と相互作用する仕組みは明らかになっているが、RTがウイルスRNAへの結合を開始する仕組みを示す構造情報はまだ得られていなかった。E Viani Puglisiたちは今回、HIV-1のRTの開始複合体のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を報告している。酵素タンパク質は、非活性なポリメラーゼのコンホメーションをとっていて、その構造からはRNAの構造がRTの活性を調節するRT開始モデルが考えられる。

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