Nature ハイライト
古生物学:祖先的鳥類の頭蓋が明らかに
Nature 557, 7703
白亜紀の海鳥イクチオルニス(Ichthyornis dispar)は、原始的な初期鳥類とより現代的な鳥類との間という系統発生学的に重要な位置を占めている。その進化的重要性が疑われたことは一度もないが、1880年代以降、イクチオルニスの頭蓋の重要な標本は新たに報告されておらず、他の化石鳥類の頭蓋は破砕および変形しているものが多い。今回B Bhullarたちは、1点の極めて完全な頭蓋を含む、三次元的構造が保持されたイクチオルニスの新たな頭蓋化石標本4点について報告している。彼らはまた、恐竜化石ハンターであるオスニエル・マーシュにより発見されイクチオルニスのホロタイプとなった標本に、これまで見過ごされていた2つの要素を見いだした。これら複数の標本のコンピューター断層撮影により得られた三次元復元像からは、イクチオルニスのくちばしが従来の想定よりもはるかに原始的なものであり、側頭部には化石鳥類の頭蓋ではほとんど知られていなかった、恐竜に似た特徴が見られることが明らかになった。
2018年5月3日号の Nature ハイライト
分子生物学:SAMHD1が炎症から細胞を守る仕組み
構造生物学:ガスダーミンが膜に形成する小孔の構造
天文学:親星の風に吹き飛ばされる大気
素粒子物理学:本格化する反物質の分光測定
超分子化学:柔軟な自己修復結晶
有機金属化学:アニオン性アルミニウムを作る
古生物学:祖先的鳥類の頭蓋が明らかに
微生物学:ミトコンドリアの祖先を再検討する
細胞生物学:胚発生過程でのHOIL-1の役割
構造生物学:HIV-1逆転写酵素の結合機構