Nature ハイライト
気候:砂が示す海水温の変遷
Nature 443, 7114
微晶質石英を含んだ密度の高い珪岩であるチャートは、地球上で最もよい状態で保存されてきた海洋堆積物の1 つであり、その形成年代は35 億年前の始生代初期から現在にまで及ぶ。チャートに含まれるケイ素同位体の組成は地質年代とともに系統的に変動し、酸素同位体の組成と相関があることが、新しいデータから示された。これはつまり、チャートの同位体組成がチャートの形成温度を記録している可能性があるということだ。ケイ素循環についての数値モデルを用いると、このデータから得られる同位体比曲線から、先カンブリア時代の海水温度変動の珍しい記録が得られ、35 億年前から8 億年前の間に海水温度が約70℃から約20℃へと変化したことが示された。
2006年10月26日号の Nature ハイライト
時事:核犯罪の科学捜査
生態:究極のアウトソーシング
気候:砂が示す海水温の変遷
地球:湿気が増えると電気伝導度が上がる?
発生:四肢は体幹にならう
生態:種の喪失と生産力
細胞:角膜に血管が存在しない訳
医学:関節リウマチのニューモデル