Nature ハイライト
生態:種の喪失と生産力
Nature 443, 7114
種の絶滅が生物群集の生産力や生態系機能を変えるかどうかという問題については、熱い議論が交わされている。1990 年代の研究では、種の喪失は、群集の生産力や限られた資源を取り込み消費する効率を低下させることがあると言われていた。これらの研究の解釈については異論が唱えられ、その後の研究で、生物多様性が及ぼす影響の一般性に疑問を投げかける反例が報告された。今回Cardinale たちは、種の多様性と生態系機能に関する実験研究結果のメタ解析について報告しており、種の喪失は確かに生態系の機能を損なうが、その影響 の大きさは実際にどの種が失われるかによって決まると結論している。
2006年10月26日号の Nature ハイライト
時事:核犯罪の科学捜査
生態:究極のアウトソーシング
気候:砂が示す海水温の変遷
地球:湿気が増えると電気伝導度が上がる?
発生:四肢は体幹にならう
生態:種の喪失と生産力
細胞:角膜に血管が存在しない訳
医学:関節リウマチのニューモデル