Nature ハイライト
地球:湿気が増えると電気伝導度が上がる?
Nature 443, 7114
地球マントルの粘性や融点といった性質は、そこにある水の量に強く影響される。しかしながら、マントルの含水量を決定することはいまだにむずかしい。カンラン石鉱物の水和は、アセノスフェア(地殻と上部マントルの下にある変形しやすい層)の電気伝導度が高いことの原因だと考えられてきたが、そのような鉱物に対する水の影響、すなわち水素が取り込まれることによる影響は実験的に測定されたことがなかった。今回、2 つのグループが、カンラン石の電気伝導度に水素が及ぼす影響について実験結果を報告している。両グループは共に、少量の水素が電気伝導度を急激に増加させることを見いだしたが、マントルで観測された電気伝導度がこのような水和で説明できるかどうかについては、結論が一致していない。このような不一致の背景にある要因を決めるため、さらなる研究が必要なのは明らかである。
2006年10月26日号の Nature ハイライト
時事:核犯罪の科学捜査
生態:究極のアウトソーシング
気候:砂が示す海水温の変遷
地球:湿気が増えると電気伝導度が上がる?
発生:四肢は体幹にならう
生態:種の喪失と生産力
細胞:角膜に血管が存在しない訳
医学:関節リウマチのニューモデル