Nature ハイライト
進化:脊椎動物の頭蓋顔面の初期進化
Nature 493, 7431
ヌタウナギは最も原始的な現生脊椎動物であり、その体の構造および発生は、脊椎動物の頭部というきわめて謎の多い構造の進化を解明するための手がかりとなる。ヌタウナギは深海性であることなどから、胚の入手が難しいことがよく知られているが、数年前に倉谷滋(理化学研究所)たちが人工飼育に成功し、ヌタウナギの胚発生に関する1899年の報告から100年以上を経てようやく、この奇妙な動物の本格的な発生学研究が再開された。今回の論文で、ヌタウナギEptatretus burgeriの頭蓋顔面の発生が初めて詳細に示され、顎を持たないヤツメウナギとヌタウナギのみに共通する胚発生パターンが明らかになった。このパターンは、すべての脊椎動物の祖先に当たる動物が持っていたものかもしれない。
2012年1月10日号の Nature ハイライト
進化:脊椎動物の頭蓋顔面の初期進化
構造生物学:セルロース合成の反応機構
宇宙:アンドロメダ銀河の超高光度X線源
工学:フォトニックナノアレイの新たな次元
工学:ソフトマターの秩序立った振る舞い
遺伝:ヒト集団内で最近起こった遺伝的変動
神経生物学:ショウジョウバエでの軽い接触の感知
構造生物学:初めてとらえられたインスリンと受容体の結合のようす
構造生物学:抗ピロリ菌標的の構造