Nature ハイライト
構造生物学:初めてとらえられたインスリンと受容体の結合のようす
Nature 493, 7431
インスリンとその受容体との複合体の三次元構造は、30年もの間研究が続けられてきたにもかかわらず、受容体タンパク質の調製法が複雑であるために解明されていなかった。今回、インスリン受容体の主要な結合部位とインスリンとの相互作用の一端が初めて明らかになった。これは、短縮型の受容体複合体に結合したインスリンの4つの結晶構造に基づくものである。意外にも、受容体のロイシンリッチリピートを含むリガンド結合ドメインとインスリンとの相互作用はほとんどが間接的なもので、インスリンと受容体の相互作用を担っているのは、二量体である受容体中のもう1つのインスリン結合ドメインに由来するらせん状のペプチドセグメント(αCT)であることがわかった。
2012年1月10日号の Nature ハイライト
進化:脊椎動物の頭蓋顔面の初期進化
構造生物学:セルロース合成の反応機構
宇宙:アンドロメダ銀河の超高光度X線源
工学:フォトニックナノアレイの新たな次元
工学:ソフトマターの秩序立った振る舞い
遺伝:ヒト集団内で最近起こった遺伝的変動
神経生物学:ショウジョウバエでの軽い接触の感知
構造生物学:初めてとらえられたインスリンと受容体の結合のようす
構造生物学:抗ピロリ菌標的の構造