Nature ハイライト
宇宙:アンドロメダ銀河の超高光度X線源
Nature 493, 7431
超高光度X線源、すなわちULXは、その光度がきわめて高い理由を満足に説明できていないため、議論の対象となっている天体である。今回、M Middletonたちは、近傍のM31アンドロメダ銀河に新しく見つかった明るいX線源を、電波とX線で観測した結果を報告している。このX線源の電波領域での光度はきわめて高く、数十分の時間スケールで変動していることから、恒星質量ブラックホールへの降着によってエネルギーが供給される非常にコンパクトなX線源であり、その降着率が、物質の流入率の理論的上限であるエディントン限界に近いことが示唆される。最新の高感度電波望遠鏡を用いて近傍銀河のトランジェントなULX系を今後観測すれば、降着流と強力なジェット放射との因果関係が明らかになりそうだ。
2012年1月10日号の Nature ハイライト
進化:脊椎動物の頭蓋顔面の初期進化
構造生物学:セルロース合成の反応機構
宇宙:アンドロメダ銀河の超高光度X線源
工学:フォトニックナノアレイの新たな次元
工学:ソフトマターの秩序立った振る舞い
遺伝:ヒト集団内で最近起こった遺伝的変動
神経生物学:ショウジョウバエでの軽い接触の感知
構造生物学:初めてとらえられたインスリンと受容体の結合のようす
構造生物学:抗ピロリ菌標的の構造