Nature ハイライト
Cover Story:移動する山々:氷河作用が原因で、気候変動に応じて大きな変化を起こすようになったアルプスの地形
Nature 493, 7431
地球表面の多くの部分は過去250万年間に起こった第四紀の寒冷期に氷河作用を受け、これらの事象は現在見られる山岳地形にその印を残している。後氷期の地形は、同じ高度に集中的に見られる広い地域を特徴とする傾向があるが、こうした特徴がその後の氷河作用に及ぼした影響についてはわかっていなかった。今回、V PedersenとD Egholmは氷河作用の数値シミュレーションと、第四紀には氷河活動がほとんどなかったスペインのシエラネバダ山脈に加えて、第四紀に氷河によって著しい変形を受けた米国アイダホ州のビタールート山脈に見られる高山地形の事例研究を用いて、研究を行った。そして、先に起こった氷河作用がシステムを変形させ、気候が氷河の広がりにほぼ線形的な影響を及ぼすシステムから、気候の小さな変化が大規模な氷河拡大をもたらしうるシステムへと変化させたことがわかった。この結果によって、第四紀における侵食の長期にわたるパターンを説明することができる。
2012年1月10日号の Nature ハイライト
進化:脊椎動物の頭蓋顔面の初期進化
構造生物学:セルロース合成の反応機構
宇宙:アンドロメダ銀河の超高光度X線源
工学:フォトニックナノアレイの新たな次元
工学:ソフトマターの秩序立った振る舞い
遺伝:ヒト集団内で最近起こった遺伝的変動
神経生物学:ショウジョウバエでの軽い接触の感知
構造生物学:初めてとらえられたインスリンと受容体の結合のようす
構造生物学:抗ピロリ菌標的の構造