Nature ハイライト 神経:睡眠の調節 2006年6月8日 Nature 441, 7094 ショウジョウバエは睡眠研究のための遺伝的モデル系として広く認められている。ショウジョウバエには私たちが睡眠とよぶものとよく似た行動パターンがあるが、睡眠に独特の特徴的な脳電図変化や睡眠の階層などは見つかっておらず、ハエの睡眠が神経過程なのかどうか、もしそうだとしたらどのような神経基盤がかかわっているのかはわかっていなかった。この問題の解決は、遺伝子が睡眠に影響を与える仕組みの解明に向けた重要なステップである。今回、2つの研究グループがこの問題に取り組み、共に「きのこ体」とよばれる脳の一部が睡眠調節に関与していることを突き止めた。この知見によって、ショウジョウバエの睡眠は神経現象としてみることができるようになった。これはまた、学習や記憶といったきのこ体の既に知られているほかの機能と睡眠をつなぐものである。 2006年6月8日号の Nature ハイライト 生態:足の数が最も多いヤスデ 細胞:適所におけば適材になる 経済:ヨーロッパの漂流 発生:分節の時計を刻むNotch 宇宙:炭素が支える円盤 化学:ひねりの効いたアミド結合 地球:余震の起こり方 進化:ドイツで見つかった小柄な竜脚類恐竜 神経:睡眠の調節 神経:活動の分け前 目次へ戻る