Nature ハイライト 化学:ひねりの効いたアミド結合 2006年6月8日 Nature 441, 7094 アミド結合は、化学や生物学ではありふれた結合である。非環式化合物の場合、アミド結合は平面的であることが多い。しかし二環式橋頭ラクタムでは、アミド基は大きくねじれている。チェコの化学者R Lukešが1938年に発表した研究成果は、これらの「ねじれたアミド」のおもしろい特性への関心を呼び起こした。しかし、興味深いことは確かなのだが、その合成は困難であった。今回、谷耕輔とStoltsは、ねじれたアミド結合を含む化合物を初めて明確な経路で合成・単離し、X線結晶学的方法でその性質を調べた。今回の合成は、一般のアミド結合を形成する従来の経路を経ていない。今回の方法で合成された化合物が使えるようになれば、アミド結合の性質の解明が大きく進むだろう。 2006年6月8日号の Nature ハイライト 生態:足の数が最も多いヤスデ 細胞:適所におけば適材になる 経済:ヨーロッパの漂流 発生:分節の時計を刻むNotch 宇宙:炭素が支える円盤 化学:ひねりの効いたアミド結合 地球:余震の起こり方 進化:ドイツで見つかった小柄な竜脚類恐竜 神経:睡眠の調節 神経:活動の分け前 目次へ戻る