Nature ハイライト
進化:初期の四肢類では椎骨構造が逆さま?
Nature 494, 7436
椎骨が連結してできた背骨は、四肢類(陸上に生息する脊椎動物)に不可欠な構造である。しかし、ごく初期の四肢類の化石は岩石に埋まっていることが多いため、骨格の詳細な構造の解明が非常に難しい。今回、最新のシンクロトロンマイクロトモグラフィー技術を適用することで、この問題が克服され、最もよく知られた3種類の初期四肢類、イクチオステガ(Ichthyostega)、アカンソステガ(Acanthostega)、ペデルペス(Pederpes)の椎骨が解析された。これまで初期四肢類は、神経弓と棘突起が上部に、1個の間椎心が前腹側に、一対の側椎心が後背側にあるラキトム型椎骨を持つと考えられていた。しかし新たな解析の結果、意外にも「逆転型」のラキトム型構造であることが明らかになり、最初の肢のある脊椎動物で脊柱がどう進化したかについての「定説」が事実上覆されることになった。
2013年2月14日号の Nature ハイライト
地球:マリオン海膨の形成
創薬:将来役立ちそうなオートファジー誘導因子
量子情報科学:機能性ハイブリッド量子系
化学:新種の単純なエナンチオ選択的触媒
気候:中期ブリュンヌの気候遷移は実在しなかった?
進化:初期の四肢類では椎骨構造が逆さま?
生態:生物多様性はどのように疾患と闘うのか
脳:大脳基底核細胞の活動を神経画像化によりとらえる
発生:発生中の目には光が不可欠
細胞:肝幹細胞を目覚めさせる