Nature ハイライト
発生:発生中の目には光が不可欠
Nature 494, 7436
発生中の目では、網膜血管系が血管を形成するのにつれて、硝子体を取り囲む透明な硝子体膜が退縮していく。この過程は臨床的に重要だが、それは過度な血管増殖は未熟児の失明の主要な原因の1つだからである。今回、組織構造のこの大きな変化に、意外にも光がかかわっていることが報告された。R Langたちは、マウスでは光が光受容物質メラノプシンを介して作用し、発達中の硝子体血管系の退縮を促進することを見いだした。光、あるいはメラノプシンのどちらかがないと、血管内皮増殖因子Aの発現が増大し、その結果として網膜で異常な血管形成が起こる。同様の過程がヒトの目の発生にも関与しているかどうかは、まだわかっていない。
2013年2月14日号の Nature ハイライト
地球:マリオン海膨の形成
創薬:将来役立ちそうなオートファジー誘導因子
量子情報科学:機能性ハイブリッド量子系
化学:新種の単純なエナンチオ選択的触媒
気候:中期ブリュンヌの気候遷移は実在しなかった?
進化:初期の四肢類では椎骨構造が逆さま?
生態:生物多様性はどのように疾患と闘うのか
脳:大脳基底核細胞の活動を神経画像化によりとらえる
発生:発生中の目には光が不可欠
細胞:肝幹細胞を目覚めさせる