Nature ハイライト
細胞:肝幹細胞を目覚めさせる
Nature 494, 7436
H Cleversたちは、損傷により「呼び起こされる」可能性のある成体肝幹細胞の静止細胞集団を見つけ出した。肝臓に損傷を受けたマウスでは、Wntの標的遺伝子であるLgr5を発現する小型の細胞が、胆管の近傍に集まってくる。これらの細胞のうちの1個を使って、両能性の幹細胞が多数、in vitroで得られた。この幹細胞はin vitroで機能を備えた肝細胞に分化した。また、肝臓オルガノイドを作って、肝疾患であるチロシン血症I型のマウスモデルに移植すると、見たところ正常な肝細胞群が肝臓に出現した。このような肝細胞が完全な機能を持っているかどうかはまだわかっていないが、この結果は肝臓の再生手法として有望である。
2013年2月14日号の Nature ハイライト
地球:マリオン海膨の形成
創薬:将来役立ちそうなオートファジー誘導因子
量子情報科学:機能性ハイブリッド量子系
化学:新種の単純なエナンチオ選択的触媒
気候:中期ブリュンヌの気候遷移は実在しなかった?
進化:初期の四肢類では椎骨構造が逆さま?
生態:生物多様性はどのように疾患と闘うのか
脳:大脳基底核細胞の活動を神経画像化によりとらえる
発生:発生中の目には光が不可欠
細胞:肝幹細胞を目覚めさせる