Nature ハイライト
神経科学:鳥を歌わせるのは何
Nature 495, 7439
キンカチョウなどの鳴禽類の複雑なさえずりには、タイミングを正確に計った発声の制御が必要である。そうしたタイミング合わせがなし遂げられる仕組みを説明する理論の1つは、さえずりの学習や実行に不可欠な脳部位であるHVCのニューロンが運動のペースを決める「時計」信号を出しているというものだ。D Margoliashらは今回、それとは別のモデルを裏付ける証拠を示している。彼らは、鳥類の鳴管の生物物理学的モデル化と就眠中あるいは覚醒している鳴禽からの記録とを組み合わせて、HVCの活動がさえずりと正確に同期していることを見いだした。この結果は、HVCニューロンは時間をコードしているのではなく、さえずりについて予測的な「順」感覚運動モデルを実行していることを示唆している。
2013年3月7日号の Nature ハイライト
神経科学:鳥を歌わせるのは何
細胞:腸上皮の静止細胞
構造生物学:RNAから一口噛みとろうとしているエキソソームを見る
宇宙:一番近い銀河までの正確な距離
材料:二酸化炭素分離に適した細孔特性
化学:メタノール経済を促進する触媒
気候科学:スノーボールアースにおける海洋の役割
古生物学:太古の昆虫strashilidは恐竜の寄生虫ではなかった
分子生物学:創傷治癒に重要な切り替えポイント
分子生物学:不適合コドンと時計機能