Nature ハイライト
化学:メタノール経済を促進する触媒
Nature 495, 7439
水素は、PEM(プロトン交換膜)燃料電池によって容易にエネルギーに変換される。ところが、輸送と貯蔵が不便なため、「水素経済」への関心はあまり高まっていない。メタノールを使えば、こうした問題を解決できるかもしれない。メタノールは12.6%が水素で、室温で液体なので取り扱いやすいからだ。M Bellerたちは、ルテニウム錯体を触媒として用いた高効率水相メタノール脱水素化プロセスについて報告している。このプロセスによって、実用的な水素貯蔵・配送システムの基盤が形成される可能性がある。重要なのは、反応が95°C以下でしかも常圧で進むため、PEM燃料電池にメタノールを直接使用できることである。
2013年3月7日号の Nature ハイライト
神経科学:鳥を歌わせるのは何
細胞:腸上皮の静止細胞
構造生物学:RNAから一口噛みとろうとしているエキソソームを見る
宇宙:一番近い銀河までの正確な距離
材料:二酸化炭素分離に適した細孔特性
化学:メタノール経済を促進する触媒
気候科学:スノーボールアースにおける海洋の役割
古生物学:太古の昆虫strashilidは恐竜の寄生虫ではなかった
分子生物学:創傷治癒に重要な切り替えポイント
分子生物学:不適合コドンと時計機能