Nature ハイライト 生化学:生体分子の設計図 2006年6月1日 Nature 441, 7093 DNA切断酵素の特異性を変えることができれば、医学やバイオテクノロジー分野でのさまざまな用途に役立つかもしれないが、これはコンピューターによるタンパク質の設計では非常な難問である。Ashworthたちは、コンピューターを用いてホーミングエンドヌクレアーゼI-MsoIの設計を改変し、野生型と同じ結合親和性を残しながら、標的部位の特異性を変化させることに成功した。この改変型酵素は、新しいDNA標的部位に野生型酵素に比べて約1万倍も効率よく結合して切断を行い、その標的識別能力は元のエンドヌクレアーゼに匹敵する。これらの結果は、遺伝子治療などに使える特異性の高い新しいエンドヌクレアーゼを作出するのに、コンピューターによるタンパク質設計法が役立つことを示している。 2006年6月1日号の Nature ハイライト 神経:瞬く間に切り替わる眠りのスイッチ 医学:ダウン症候群 Way:南に向かう理由 化学:ホモキラリティーを生み出す不斉増幅 考古:石器は語る 生態:緑濃き場所 進化:珍しいものが生き残る? 医学:HIVを阻止する 生化学:生体分子の設計図 目次へ戻る