Nature ハイライト
神経科学:脳が空間と時間を結びつける仕組み
Nature 495, 7440
記憶などの脳高次機能に関わる内側側頭葉にあるグリッド細胞は、空間を規則的に格子状に区切った位置で発火して、移動する動物の航路決定を助けているが、そうした格子状の発火パターンがどうやって生じるのかはよくわかっていない。今回D Tankたちは、バーチャル空間内の直線路を走るマウスで、グリッド細胞の電位変化の細胞内動態を直接測定した。格子状の発火野はグリッド細胞のゆっくりしたランプ状の脱分極によって作り出されていることが見いだされ、またグリッド細胞は、そのスパイク発火のタイミングに影響を及ぼす細胞内シータ振動も示すことがわかった。これらのデータは、グリッドがアトラクター動態から生じ、グリッド細胞のスパイク発火のタイミングはシータ振動に制御されるというモデルと最もよく一致する。
2013年3月14日号の Nature ハイライト
計測:NMRの能力を向上させる
ゲノミクス:集団のエピゲノム多様性パターンの解析
神経科学:脳が空間と時間を結びつける仕組み
物理:機械振動と量子状態記憶
材料:オプトエレクトロニクス用のマイクロメートルサイズのTiO2微結晶
地球:水と水素はマントル内で混合しない
神経科学:CALHM1 ATPアーゼは3つの味に関わっている
細胞:骨髄には複数の幹細胞ニッチが存在する
構造生物学:カルシウムが筋細胞を駆動する仕組み