Nature ハイライト
地球:水と水素はマントル内で混合しない
Nature 495, 7440
利用できる実験データはかなり乏しかったが、それに基づいて、地球マントル深部の水和流体内に水素分子(H2)と水が共存する所では、両者は完全に混和できると考えられてきた。しかし、合成流体包有物として石英やカンラン石鉱物内に捕獲された水成流体に関する今回の研究によると、そうではないらしい。E Baliたちは、地球の深さ50〜80 kmで見られる状況を模した条件下では、2つの分離した混和しない相として水と水素が共存することを示す実験的証拠を提示している。そのような非混和性は、マントル内に存在すると考えられている謎の超還元的領域が形成される原因となっている可能性があり、核形成の直後における地球の上部マントルの急速な酸化の機構をもたらすかもしれないと、彼らは結論している。
2013年3月14日号の Nature ハイライト
計測:NMRの能力を向上させる
ゲノミクス:集団のエピゲノム多様性パターンの解析
神経科学:脳が空間と時間を結びつける仕組み
物理:機械振動と量子状態記憶
材料:オプトエレクトロニクス用のマイクロメートルサイズのTiO2微結晶
地球:水と水素はマントル内で混合しない
神経科学:CALHM1 ATPアーゼは3つの味に関わっている
細胞:骨髄には複数の幹細胞ニッチが存在する
構造生物学:カルシウムが筋細胞を駆動する仕組み