Nature ハイライト
分子生物学:細胞周期の調節を品質管理
Nature 495, 7441
真核生物では、1回の細胞周期につきDNA複製が1回起こるように厳密な調節が行われている。この調節は、ORC、Cdc6、Cdt1、Mcm2–7タンパク質の関与する「ライセンシング」過程により維持されている。真核生物の大きなゲノムが細胞周期を経て安定的に遺伝するには、このライセンシング過程の安定性が必須である。今回J Diffleyたちは、出芽酵母で、ORC–Cdc6がMcm3サブユニットを介して、2つのMcm2–7六量体を誘導することを報告している。Mcm3サブユニットとの相互作用によって、ORC–Cdc6のATPアーゼ活性が亢進する。ただし、この加水分解はMcmの結合と解離のどちらかを促進することができ、いずれになるかは、複製前複合体が完全で細胞周期が複製起点の活性化に適切な段階にあるかどうかによって決まる。この動的な校正機構によって、途中まで組み立てられたがそこで行き詰まってしまった複合体の蓄積が防止される。
2013年3月21日号の Nature ハイライト
神経科学:発話のための脳の構成
分子生物学:環状RNAがmiRNAを囲い込む仕組み
分子生物学:細胞周期の調節を品質管理
宇宙:星形成銀河に焦点を合わせたALMA望遠鏡
地球:窒素の利用可能性の上昇と下落
地球:マントルの上をすべる
進化:イヌがヒトとの生活を選んだとき
細胞:PGE2は骨髄での幹細胞保持を調節する
細胞:多能性の確立にNANOGタンパク質が果たす役割
細胞生物学:オートファゴソームの起源の再検討