Nature ハイライト
地球:窒素の利用可能性の上昇と下落
Nature 495, 7441
活性窒素の供給は、産業革命以降著しく増加している。しかし、窒素の利用可能性、つまり植物と微生物の需要に応じる窒素供給量が全球規模で増加したかどうかはまだよくわかっていない。今回、これまでに公表された世界中の湖沼堆積物から得られた窒素同位体データを用いて、過去1万5000年間の窒素循環のパターンが調べられている。K McLauchlanたちは、1万5000〜7000年前に、全球の生態系で窒素の利用可能性が長期的に低下したことを見いだし、これは炭素動態が全球で変化した結果だろうとしている。意外なことに、過去500年間の窒素循環には一貫した変化傾向がない。このことは、大気中の二酸化炭素濃度の近年の増加と、生物圏における正味の炭素隔離が、一部の生態系で活性窒素供給量の増加を相殺していた可能性を示唆している。
2013年3月21日号の Nature ハイライト
神経科学:発話のための脳の構成
分子生物学:環状RNAがmiRNAを囲い込む仕組み
分子生物学:細胞周期の調節を品質管理
宇宙:星形成銀河に焦点を合わせたALMA望遠鏡
地球:窒素の利用可能性の上昇と下落
地球:マントルの上をすべる
進化:イヌがヒトとの生活を選んだとき
細胞:PGE2は骨髄での幹細胞保持を調節する
細胞:多能性の確立にNANOGタンパク質が果たす役割
細胞生物学:オートファゴソームの起源の再検討