Nature ハイライト

地球:窒素の利用可能性の上昇と下落

Nature 495, 7441

活性窒素の供給は、産業革命以降著しく増加している。しかし、窒素の利用可能性、つまり植物と微生物の需要に応じる窒素供給量が全球規模で増加したかどうかはまだよくわかっていない。今回、これまでに公表された世界中の湖沼堆積物から得られた窒素同位体データを用いて、過去1万5000年間の窒素循環のパターンが調べられている。K McLauchlanたちは、1万5000〜7000年前に、全球の生態系で窒素の利用可能性が長期的に低下したことを見いだし、これは炭素動態が全球で変化した結果だろうとしている。意外なことに、過去500年間の窒素循環には一貫した変化傾向がない。このことは、大気中の二酸化炭素濃度の近年の増加と、生物圏における正味の炭素隔離が、一部の生態系で活性窒素供給量の増加を相殺していた可能性を示唆している。

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