Nature ハイライト
進化:イヌがヒトとの生活を選んだとき
Nature 495, 7441
イヌおよびオオカミの全ゲノム塩基配列の再解読により、イヌの家畜化の過程で選択の標的になったと考えられるゲノム領域が多数見つかった。そのような遺伝子36個のうちの過半数は脳に関係しており、その中にはイヌの家畜化で重要と考えられる行動変化に関係するものがいくつか含まれていた。意外にも、選択を受けたことを示す10個の遺伝子はデンプンの消化および脂質の代謝に重要なものであり、現在のイヌは肉食性のオオカミと比較してデンプンの多い食餌でもうまく生きていけるようになっている。この食餌の変化を示す証拠から、農業革命の過程で定住化したヒト集落から廃棄された残飯を食べるという、新しい生態的ニッチをイヌが見いだしたのではないかと考えられる。
2013年3月21日号の Nature ハイライト
神経科学:発話のための脳の構成
分子生物学:環状RNAがmiRNAを囲い込む仕組み
分子生物学:細胞周期の調節を品質管理
宇宙:星形成銀河に焦点を合わせたALMA望遠鏡
地球:窒素の利用可能性の上昇と下落
地球:マントルの上をすべる
進化:イヌがヒトとの生活を選んだとき
細胞:PGE2は骨髄での幹細胞保持を調節する
細胞:多能性の確立にNANOGタンパク質が果たす役割
細胞生物学:オートファゴソームの起源の再検討