Nature ハイライト
細胞生物学:オートファゴソームの起源の再検討
Nature 495, 7441
損傷を被ったり、機能を失ったりした細胞成分やタンパク質複合体のオートファジーによる分解は、細胞に不可欠な機能である。不要な物質は、リソソームに似ているが破壊酵素を持たない小胞であるオートファゴソームにまず取り込まれ、さらにリソソームへと運ばれて、最終的に分解される。今回、吉森保(大阪大学)たちは、オートファゴソームは小胞体とミトコンドリアが接触している部位で形成され、形成にはSNAREタンパク質の1つのシンタキシン17が必要なことを明らかにしている。細胞で新しいオートファゴソームができる仕組みがわかったことで、オートファゴソーム形成に関する、互いに矛盾する2つの考え方、つまりオートファゴソームの起源は小胞体にあるとする説と、ミトコンドリアにあるとする説が1つにまとまる方向に進みそうだ。
2013年3月21日号の Nature ハイライト
神経科学:発話のための脳の構成
分子生物学:環状RNAがmiRNAを囲い込む仕組み
分子生物学:細胞周期の調節を品質管理
宇宙:星形成銀河に焦点を合わせたALMA望遠鏡
地球:窒素の利用可能性の上昇と下落
地球:マントルの上をすべる
進化:イヌがヒトとの生活を選んだとき
細胞:PGE2は骨髄での幹細胞保持を調節する
細胞:多能性の確立にNANOGタンパク質が果たす役割
細胞生物学:オートファゴソームの起源の再検討