Nature ハイライト
古気候:鮮新世における海の気候モデル
Nature 496, 7443
鮮新世初期は、約500万〜300万年前の暖かい期間で、地球の二酸化炭素濃度が今日と同程度であった最も近い時期である。したがって、鮮新世初期の気候の状況と機構の解明は重要である。A Fedorovたちは、利用可能な気候の代理指標を集めて整理し、鮮新世初期の海面水温の最大値は現在とほぼ同じだったが、南北方向および東西方向の海面水温勾配が共に現在より弱く、特に太平洋赤道域ではそれが顕著だったことを明らかにした。現在、気候モデルで用いられている機構には、鮮新世初期の気候状態を完全に説明できるものはない。このことは、現在より暖かい気候における地球システムのプロセスのモデル化には、難問が残っていることを示している。
2013年4月4日号の Nature ハイライト
古気候:鮮新世における海の気候モデル
地球:北米西部はどのようにして出来たか
遺伝:条虫類4種のゲノム塩基配列の解読
構造生物学:結合型および非結合型のクリプトクロムの構造
物理:量子磁気スイッチング
ナノテクノロジー:ナノ粒子結晶の3D観測
ゲノミクス:パンコムギの祖先2種のゲノム解読
生化学:サーチュインが持つタンパク質リシンデアセチラーゼ活性
生化学:これまでに例のないホスホノ基転移反応を触媒する酵素