Nature ハイライト
ゲノミクス:パンコムギの祖先2種のゲノム解読
Nature 496, 7443
パンコムギ(Triticum aestivum)のAABBDDという構成の六倍体ゲノムは、3種のイネ科祖先種の交雑によって生じた。今回、それらのコムギ祖先のうちの2種について、ゲノム塩基配列の解読とその解析結果が報告された。1つ目は、二倍体野生コムギであるウラルツコムギ(T. urartu;Aゲノムの起源)に関するもので、そのゲノム塩基配列は、クサビコムギ(Aegilops speltoides;Bゲノムの起源)やタルホコムギ(Ae. tauschii;Dゲノムの起源)に比べると、栽培コムギにずっとよく似ている。2つ目はタルホコムギのゲノムで、トランスクリプトームもあわせて解析されている。これらのゲノムとその解析結果は、コムギの複雑な倍数体ゲノムを研究するための強力な材料になるとともに、コムギの遺伝的改良を行うための有用な情報資源になると考えられる。
2013年4月4日号の Nature ハイライト
古気候:鮮新世における海の気候モデル
地球:北米西部はどのようにして出来たか
遺伝:条虫類4種のゲノム塩基配列の解読
構造生物学:結合型および非結合型のクリプトクロムの構造
物理:量子磁気スイッチング
ナノテクノロジー:ナノ粒子結晶の3D観測
ゲノミクス:パンコムギの祖先2種のゲノム解読
生化学:サーチュインが持つタンパク質リシンデアセチラーゼ活性
生化学:これまでに例のないホスホノ基転移反応を触媒する酵素