Nature ハイライト

ゲノミクス:パンコムギの祖先2種のゲノム解読

Nature 496, 7443

パンコムギ(Triticum aestivum)のAABBDDという構成の六倍体ゲノムは、3種のイネ科祖先種の交雑によって生じた。今回、それらのコムギ祖先のうちの2種について、ゲノム塩基配列の解読とその解析結果が報告された。1つ目は、二倍体野生コムギであるウラルツコムギ(T. urartu;Aゲノムの起源)に関するもので、そのゲノム塩基配列は、クサビコムギ(Aegilops speltoides;Bゲノムの起源)やタルホコムギ(Ae. tauschii;Dゲノムの起源)に比べると、栽培コムギにずっとよく似ている。2つ目はタルホコムギのゲノムで、トランスクリプトームもあわせて解析されている。これらのゲノムとその解析結果は、コムギの複雑な倍数体ゲノムを研究するための強力な材料になるとともに、コムギの遺伝的改良を行うための有用な情報資源になると考えられる。

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