Nature ハイライト
生化学:これまでに例のないホスホノ基転移反応を触媒する酵素
Nature 496, 7443
糖尿病足感染症や下部尿路感染症の治療に使われる抗生物質ホスホマイシンの生合成の最終段階は、非ヘム鉄依存性酵素である(S)-2-ヒドロキシプロピルホスホン酸((S)-2-HPP)エポキシダーゼ(HppE)によって触媒される。この反応では異例な脱水素反応が起こり、(S)-2-HPPの第二級アルコールが変換されてホスホマイシンのエポキシド環が生じる。今回、この酵素にはさらに、1,2-ホスホノ基転移反を触媒する能力もあることが明らかにされた。この反応は、生物ではこれまでに例のない化学反応である。この知見は、ホスホン酸を含む新規天然化合物や新しいホスホン酸誘導体の生産に道を開くことになるだろう。
2013年4月4日号の Nature ハイライト
古気候:鮮新世における海の気候モデル
地球:北米西部はどのようにして出来たか
遺伝:条虫類4種のゲノム塩基配列の解読
構造生物学:結合型および非結合型のクリプトクロムの構造
物理:量子磁気スイッチング
ナノテクノロジー:ナノ粒子結晶の3D観測
ゲノミクス:パンコムギの祖先2種のゲノム解読
生化学:サーチュインが持つタンパク質リシンデアセチラーゼ活性
生化学:これまでに例のないホスホノ基転移反応を触媒する酵素