Nature ハイライト

生化学:これまでに例のないホスホノ基転移反応を触媒する酵素

Nature 496, 7443

糖尿病足感染症や下部尿路感染症の治療に使われる抗生物質ホスホマイシンの生合成の最終段階は、非ヘム鉄依存性酵素である(S)-2-ヒドロキシプロピルホスホン酸((S)-2-HPP)エポキシダーゼ(HppE)によって触媒される。この反応では異例な脱水素反応が起こり、(S)-2-HPPの第二級アルコールが変換されてホスホマイシンのエポキシド環が生じる。今回、この酵素にはさらに、1,2-ホスホノ基転移反を触媒する能力もあることが明らかにされた。この反応は、生物ではこれまでに例のない化学反応である。この知見は、ホスホン酸を含む新規天然化合物や新しいホスホン酸誘導体の生産に道を開くことになるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度