Nature ハイライト
分子生物学:状況変化に応じた体温調節
Nature 503, 7476
哺乳類は、体温が日ごとに概日周期で変動するのに加えて、核心体温、つまり体の中心部の体温を低温から守ることもしている。今回、転写リプレッサーである核内受容体Rev-erbαが、褐色脂肪組織の働きの調節により、概日ネットワークと熱発生ネットワーク、それに体温の日周リズムとを結びつけていることが明らかにされた。Rev-erbαがほとんど発現されていない朝に低温に曝されたマウスの方が、Rev-erbαが豊富な午後5時に低温に曝されたマウスよりもはるかにうまく対応でき、またRev-erbα遺伝子を欠失させると、低温耐性が改善される。Rev-erbαは、褐色脂肪組織の脱共役タンパク質1(Ucp1)の生理的リプレッサーとして機能していて、それにより環境に反応できる形で体温リズムを維持するように働いていることが明らかになった。
2013年11月21日号の Nature ハイライト
生物地球化学:陸水からの二酸化炭素輸送
発生生物学:母性・胚性転移の引き金
微生物学:持続生残細胞に効く抗生物質
分子生物学:非コードRNAがDNAメチル化を妨げる
宇宙:地球に似ているが、暑過ぎる
進化:集団のサイズは文化的遺産に影響する
免疫:よく見られる皮膚疾患への細菌の関わり
免疫:HIVが自然免疫を巧みにかわす仕組み
分子生物学:状況変化に応じた体温調節
植物:適切な温度で花が形成される仕組み