Nature ハイライト
植物:適切な温度で花が形成される仕組み
Nature 503, 7476
花成は顕花植物の生活環で極めて重要な事象であり、確実な繁殖成功のためには花成を適切な時期に行う必要がある。今回M Schmidたちは、周囲の温度変化に応じた花成の調節について調べた。その結果、遺伝子FLOWERING LOCUS M(FLM)の温度依存性の選択的スプライシングによって、FLM-βおよびFLM-δという2種類のタンパク質産物が生成し、この2つが花成を互いに逆の方向に調節することが明らかになった。低温ではFLM-βが花成を抑制するが、高温ではFLM-δが優先的に生成されて花成を促進する。このように花成の開始は、mRNA前駆体の温度依存的な選択的スプライシングによって制御されている。
2013年11月21日号の Nature ハイライト
生物地球化学:陸水からの二酸化炭素輸送
発生生物学:母性・胚性転移の引き金
微生物学:持続生残細胞に効く抗生物質
分子生物学:非コードRNAがDNAメチル化を妨げる
宇宙:地球に似ているが、暑過ぎる
進化:集団のサイズは文化的遺産に影響する
免疫:よく見られる皮膚疾患への細菌の関わり
免疫:HIVが自然免疫を巧みにかわす仕組み
分子生物学:状況変化に応じた体温調節
植物:適切な温度で花が形成される仕組み