Nature ハイライト
Cover Story:速く跳ね返るような形態を作る:対称性が破れた超疎水表面は接触時間を最短にする
Nature 503, 7476
表紙は、モルフォチョウの水を弾く翅に一滴の水が衝突する様子である。乾燥状態を維持する、自浄性がある、着氷を防止するといった機能を持つ疎水性表面には、さまざまな用途がある。そのような表面にぶつかった液滴は、いったん広がった後に元の形に戻ってから跳ね返る傾向がある。液滴と表面との接触時間を最短にすることは、多くの応用分野で有用である。一般に、衝突する液滴が対称的に変形する場合に接触時間は最短になると考えられている。今回、K Varanasiたちは、液滴の広がりと戻りが対称的にならないように、液滴質量を再分配する形態を持つ超疎水性表面の方が、液滴が速く跳ね返ることを明らかにしている。理論と実験結果から、今回の手法を使うと、跳ね返る液滴と表面との接触時間を、可能と考えられていた限界を超えて短くできることが確証された。
2013年11月21日号の Nature ハイライト
生物地球化学:陸水からの二酸化炭素輸送
発生生物学:母性・胚性転移の引き金
微生物学:持続生残細胞に効く抗生物質
分子生物学:非コードRNAがDNAメチル化を妨げる
宇宙:地球に似ているが、暑過ぎる
進化:集団のサイズは文化的遺産に影響する
免疫:よく見られる皮膚疾患への細菌の関わり
免疫:HIVが自然免疫を巧みにかわす仕組み
分子生物学:状況変化に応じた体温調節
植物:適切な温度で花が形成される仕組み