Nature ハイライト
惑星科学:「暴走温室効果」が起こるのはもっと先のようだ
Nature 504, 7479
太陽の光度は、地質学的な時間スケールでは徐々に増大している。このことは、やがては地球に「暴走温室効果」を引き起こす可能性がある。暴走温室効果状態は、宇宙空間へ射出できる量を超えて惑星が太陽からのエネルギーを吸収するときに起こる状態である。こうなると、海は蒸発し、気候は温暖化して金星のような気温になると考えられる。J Leconteたちは、三次元気候モデルを用いて、これまで簡略な一次元モデルで見積もられていたよりも、暴走温室効果が始まるしきい値がかなり高いことを示している。重要な要因は、雲に起因する温暖化を相殺して余りある寒冷化が大気循環の変化によって起こることである。今回の知見は、他の恒星のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)を拡大させるため、太陽系外惑星との関連においても重要である。
2013年12月12日号の Nature ハイライト
材料科学:液体の磁性
神経科学:シナプスのエンドサイトーシスを素早く捉える
医学:抗マラリア薬の多機能標的
構造生物学:GABAB受容体の静止型と活性型の構造
量子情報科学:量子通信の新しいモデル
惑星科学:「暴走温室効果」が起こるのはもっと先のようだ
神経科学:経験で神経可塑性が変化する仕組み
がん:オートファジーの役割はp53に依存する
構造生物学:CAAXプロテアーゼの構造
細胞生物学:一次繊毛でのカルシウムの扱われ方