Nature ハイライト
構造生物学:CAAXプロテアーゼの構造
Nature 504, 7479
RasやRhoなどの低分子量GTPアーゼなどのCAAXタンパク質のシグナル伝達機能は、細胞膜に正しく配置されることによって決まる。膜に占める位置を制御するのは、そのC末端にあるCAAXモチーフの翻訳後修飾、つまりシステインのプレニル化、エンドタンパク質分解、カルボキシプレニル化されたシステイン残基のメチル化である。今回D Barfordたちは、古細菌のMethanococcus maripaludis由来の膜内在型タンパク質であるCAAXプロテアーゼRce1(Ras and a-factor converting enzyme 1)の結晶構造を明らかにした。この新規な膜内プロテアーゼの構造から、ロンボイドのようなこれまで知られているプロテアーゼとは異なる触媒機構が明らかになった。この研究は、Rasシグナル伝達経路を遮断する可能性のあるCAAXモチーフプロセシングのアンタゴニスト開発に役立つと考えられる。
2013年12月12日号の Nature ハイライト
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神経科学:シナプスのエンドサイトーシスを素早く捉える
医学:抗マラリア薬の多機能標的
構造生物学:GABAB受容体の静止型と活性型の構造
量子情報科学:量子通信の新しいモデル
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がん:オートファジーの役割はp53に依存する
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細胞生物学:一次繊毛でのカルシウムの扱われ方