Nature ハイライト
がんゲノミクス:新たに見つかったがん遺伝子
Nature 505, 7484
がん遺伝子の大半は変異の頻度が中程度であり、そうした変異はある1種類の腫瘍の5つの検体のうちの1つで見つかるというくらいの頻度である。そのため、がん遺伝子を確実に見つけるには、この変異率の不均一性を考慮して大規模なサンプリングを行う必要がある。今回、21種類の腫瘍について、4,700以上の腫瘍とそれらに対応する正常組織の組み合わせを対象に統計分析が行われた。この研究によって、増殖、アポトーシス、ゲノム安定性、クロマチン調節、免疫回避、RNAプロセシングおよびタンパク質恒常性に関連する33個の今までに知られていなかった遺伝子が見つかった。さらなる解析で、いずれの種類の腫瘍でも、600~5,000検体でサンプリング結果がほぼ飽和に達し、そのサンプルサイズはバックグラウンドの変異頻度に依存することが示唆された。
2014年1月23日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:新たに見つかったがん遺伝子
免疫:HIV/AIDSワクチンの短所
免疫:もう1つのAIDS治療法
宇宙:小惑星ケレス表面の水蒸気
量子エレクトロニクス:グラフェンのエッジ状態
材料:転位のひずみで波打つ2層グラフェン
気候:南極の気候に対する大西洋の影響
生態:土壌炭素量のカギを握る菌根菌
細胞:血液幹細胞に見られる雌雄差
微生物学:腸内微生物叢は食餌によって迅速に変化する