Nature ハイライト

材料:転位のひずみで波打つ2層グラフェン

Nature 505, 7484

結晶材料中の転位は、結晶中の原子が元の位置からずれてできた線欠陥であり、塑性変形をもたらし、電子的特性も変化させる。今回B Butzたちは、転位が発生し得る結晶材料の中で考えられる最も薄い材料であるエピタキシャル2層グラフェン中の線欠陥について、実験面と理論面から研究したことを報告し、古典的転位論の観点から欠陥の特性を説明している。2層グラフェンが新たに二次元組織化した結果、特徴的な等間隔転位パターンが現れ、2層グラフェン膜に顕著な座屈が生じる。この座屈によって、2層グラフェンのひずみ状態が大きく変化し、これに伴い電子構造や機械的特性も変わる可能性がある。

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