Nature ハイライト
宇宙:小惑星ケレス表面の水蒸気
Nature 505, 7484
太陽系の主小惑星帯の中で最も大きいケレス表面に含水鉱物が存在することは、そこにも水がある可能性を示唆している。今回、欧州宇宙機関(ESA)のハーシェル宇宙望遠鏡によって得られた赤外スペクトルにより、ケレス表面かその近くに水氷が存在することの決定的な証拠が得られた。ケレスの中緯度領域に局在する発生源から少なくとも毎秒1026個の速度で水分子が噴出している。水の蒸発は、彗星に似た昇華か、溶岩の代わりに水などの揮発性物質を噴出している氷火山に起因している可能性がある。この発見は、彗星のような氷天体が、初期太陽系を乾いた内領域と氷に富んだ外領域に分ける概念的な「スノーライン」の向こうから小惑星帯へ移動してきた可能性があるとする理論モデルを裏付けている。
2014年1月23日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:新たに見つかったがん遺伝子
免疫:HIV/AIDSワクチンの短所
免疫:もう1つのAIDS治療法
宇宙:小惑星ケレス表面の水蒸気
量子エレクトロニクス:グラフェンのエッジ状態
材料:転位のひずみで波打つ2層グラフェン
気候:南極の気候に対する大西洋の影響
生態:土壌炭素量のカギを握る菌根菌
細胞:血液幹細胞に見られる雌雄差
微生物学:腸内微生物叢は食餌によって迅速に変化する