Nature ハイライト
生態:土壌炭素量のカギを握る菌根菌
Nature 505, 7484
生態系はそれぞれ、植物に付随する菌根菌(ほぼ全ての陸上植物の根に共生する真菌類)の優占種類に違いがある。外生菌根およびエリコイド型菌根(EEM)を形成する真菌類は有機態窒素分解酵素を産生するが、アーバスキュラー菌根(AM)菌はこの種の酵素を産生しない。そこで、EEM生態系の植物は土壌窒素をめぐって分解者と競争し、その結果として土壌炭素の貯蔵量を増大させると予想される。今回、全球的なデータセットをまとめた研究で、実際にその予想が正しく、EEM生態系の炭素貯蔵量はAM生態系のそれよりも70%多いことが明らかになった。また、菌根の種類が、土壌炭素貯蔵量を決定付ける他の要因よりも重要であることも分かった。
2014年1月23日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:新たに見つかったがん遺伝子
免疫:HIV/AIDSワクチンの短所
免疫:もう1つのAIDS治療法
宇宙:小惑星ケレス表面の水蒸気
量子エレクトロニクス:グラフェンのエッジ状態
材料:転位のひずみで波打つ2層グラフェン
気候:南極の気候に対する大西洋の影響
生態:土壌炭素量のカギを握る菌根菌
細胞:血液幹細胞に見られる雌雄差
微生物学:腸内微生物叢は食餌によって迅速に変化する