Nature ハイライト
免疫:もう1つのAIDS治療法
Nature 505, 7484
CD4 T細胞は、ウイルスが認識するCD4抗原を持つヘルパーT細胞で、AIDS発症の根本に関わっている。今回、W GreeneたちはHIV感染の間に静止期リンパ系CD4 T細胞の数が大幅に減少する機序を明らかにした。自然なリンパ系環境を保持するヒトリンパ組織のex vivo培養系を使って、ウイルスの不稔複製がカスパーゼ-1を介したピロトーシスを誘導し、これが細胞死の原因となることが分かった。臨床試験で安全性が示されているカスパーゼ-1阻害剤はin vitroで細胞死を防止できた。この結果は、ウイルスではなく、宿主の方を標的とする新たな種類の「抗AIDS」治療薬の可能性を示唆している。
2014年1月23日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:新たに見つかったがん遺伝子
免疫:HIV/AIDSワクチンの短所
免疫:もう1つのAIDS治療法
宇宙:小惑星ケレス表面の水蒸気
量子エレクトロニクス:グラフェンのエッジ状態
材料:転位のひずみで波打つ2層グラフェン
気候:南極の気候に対する大西洋の影響
生態:土壌炭素量のカギを握る菌根菌
細胞:血液幹細胞に見られる雌雄差
微生物学:腸内微生物叢は食餌によって迅速に変化する