Nature ハイライト
有機化学:キラリティーが新たな次元に
Nature 509, 7498
キラル分子は、それ自体とその鏡像が一致しない分子であり、通常は、4つの異なる置換基と結合した立体キラル中心(代表的なものは四面体原子で、通常は炭素)を持つ。今回、もっと複雑なタイプのキラリティーが生じる新しい触媒反応が報告されている。このタイプでは同一分子内に2本のキラリティー軸が存在するため、エナンチオ選択的な反応によって4つの立体異性体が生成される。系が平衡に近づくと、ラセミ化するのではなく、片方のジアステレオマー対のエナンチオマー比が自発的に高くなる。
2014年5月1日号の Nature ハイライト
細胞:タンパク質合成の微妙なバランス
免疫:HIV-1中和抗体の生成過程
宇宙:トップスピンで自転する系外惑星がか座β星b
光学:原子光学にかなった単一分子光子
有機化学:キラリティーが新たな次元に
気候科学:4万5000年間の東インド洋の気候記録
地球:マントルメルトが滑らかにするテクトニックプレートの動き方
生態学:コンゴの雨林で失われつつある緑
細胞:初期胚を再プログラム化する
構造生物学:血小板凝集に関わる重要なGPCRの構造