Nature ハイライト
気候科学:炭素取り込み量の大半を占めるオーストラリア
Nature 509, 7502
陸域と海洋は年間の人為的な炭素放出量の約半分を取り込んでおり、この過程の徹底的な解明は、将来の温室効果ガス濃度、ひいては気候変動を予測するのに重要である。今回、大気中CO2の測定が開始された1958年以降で最大の、陸域の炭素取り込みが調べられている。全球炭素収支を明らかにする3通りの独立した方法によって、南半球の半乾燥地域に、ラニーニャによる著しい降水量に応答した極めて大きな陸域炭素シンクが示された。その炭素取り込み量のほぼ60%はオーストラリアの生態系によるものと考えられ、降水量に対する大陸の正味の炭素取り込みの感度が高くなっていた。全球炭素循環の年々変動を駆動する陸域過程は熱帯雨林によって支配されていると考えられてきたが、今回の成果は、半乾燥バイオームが今後の支配的な駆動力となる可能性を示唆している。
2014年5月29日号の Nature ハイライト
構造生物学:低分子RNAのRsmZは「タンパク質のスポンジ」として機能する
量子物理学:重要な時期にきた磁気モーメントによる物質–反物質対称性の検証
気候科学:炭素取り込み量の大半を占めるオーストラリア
気候科学:海氷は波浪が苦手
微生物生態学:抗生物質耐性の伝播に土壌細菌は関与していない
神経科学:非神経細胞であるメルケル細胞は触覚に関わっている
神経科学:攻撃行動を引き起こす視床下部ニューロン
発生生物学:カイコの雌化因子
免疫:胚中心での免疫系B細胞の選択