Nature ハイライト
気候科学:海氷は波浪が苦手
Nature 509, 7502
北極では海氷は後退している。南極では、ある場所では後退し、別の場所では拡大している。こうした変化はまだ十分に説明されていない。波浪は1つの要因であり、海氷を不安定化させ破壊する傾向にあるが、その影響は、観測による確かな制約条件がないため、氷縁から指数関数的に減少すると仮定されてきた。A Kohoutたちは南極で得られた観測結果を用いて、波高が3 mより高い波の破壊的影響は実際には線形的にしか減衰しないことを示している。氷縁から数百キロメートル離れた所でもこうした波の影響を被っていることがある。この結果は、波浪とそれを生み出す暴風は、海氷全体の変化傾向と空間変動に、これまで考えられていたよりも重要な役割を果たしていることを示している。
2014年5月29日号の Nature ハイライト
構造生物学:低分子RNAのRsmZは「タンパク質のスポンジ」として機能する
量子物理学:重要な時期にきた磁気モーメントによる物質–反物質対称性の検証
気候科学:炭素取り込み量の大半を占めるオーストラリア
気候科学:海氷は波浪が苦手
微生物生態学:抗生物質耐性の伝播に土壌細菌は関与していない
神経科学:非神経細胞であるメルケル細胞は触覚に関わっている
神経科学:攻撃行動を引き起こす視床下部ニューロン
発生生物学:カイコの雌化因子
免疫:胚中心での免疫系B細胞の選択