Nature ハイライト

構造生物学:ヒトγ-セクレターゼの構造

Nature 525, 7568

ヒトγ-セクレターゼ複合体は、プレセニリン1(PS1)、PEN-2、APH-1とニカストリンからなる膜に埋め込まれたプロテアーゼで、多くの重要な細胞機能を基質の切断を介して制御している。この酵素の機能不全は、アルツハイマー病を引き起こすと考えられている。今回、完全なヒトγ-セクレターゼ複合体の原子レベルでの構造が、低温電子顕微鏡を使って3.4 Åの分解能で決定された。この構造から、γ-セクレターゼの4つの構成要素間の特異的な相互作用によって著しく柔軟性の高い活性部位が膜の内部に位置するようになる仕組みが説明される。アルツハイマー病で見られる変異は、2つのホットスポットに集まっている残基に影響を及ぼしており、このようなホットスポットはPS1中に4本の膜貫通セグメントが作るバンドルの中央にそれぞれ位置している。

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