Nature ハイライト
材料化学:タンパク質–DNAハイブリッドを作る新しい方法
Nature 525, 7568
生体分子の自己集合体は、多様な機能と生体適合性を併せ持つため、ナノテクノロジーにおいて非常に興味深い材料である。この10年間で、核酸のみ、ペプチドのみ、タンパク質のみなど、単一成分で構成される精巧なナノ構造体が報告され、こうしたナノ構造体は、薬物送達から分子コンピューティングまでさまざまな用途に用いられてきた。今回、コンピューターによるタンパク質の設計を使って、タンパク質とDNAが共集合したナノ材料が形成された。二本鎖DNA上のタンパク質結合部位の配置を変化させ、これらの二本鎖DNA構成ブロックをタンパク質構成ブロックと混ぜ合わせたところ、いびつな塊状のナノ粒子や分子1個分の幅のナノワイヤーを自発的に形成させることができた。今回の結果は、新しいタンパク質–DNAハイブリッド材料を開発するための基礎を築くものである。
2015年9月10日号の Nature ハイライト
がん:変異型p53はヒストンメチル化と関連する
構造生物学:ヒトγ-セクレターゼの構造
宇宙物理学:星形成銀河中の一酸化炭素雲
材料化学:タンパク質–DNAハイブリッドを作る新しい方法
大気科学:海上大気中で氷を形成する「生物学的な」粒子
神経科学:ドーパミン作動性ニューロンとGABA作動性ニューロンが報酬を評価
神経疾患:アルツハイマー病のアミロイドβ病変の伝播についての手掛かり
計算生物学:集団の中で希少な細胞を目立たせる
がん:固形腫瘍進化の3Dモデル
植物科学:植物ホルモンであるジャスモン酸のシグナル伝達